PC WATCHより
家庭向け、法人向け、サブスク、永続、PIPC、商用利用権など……複雑なMicrosoft 365/Officeのライセンスを整理する
参考URL:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1465930.html
抜粋
グローバルに商用利用が可能になったMicrosoft 365 Family/Personal、ビジネスパーソンも仕事に使える
もう1つのMicrosoft 365の大きな特徴は、このMicrosoft 365 Family/Personalのどちらも、商用利用が可能であるということだ(なお商用利用というのは、何らかの収益を発生する行為という意味で、筆者のような自営業がPCを使う場合はもちろんこと、会社員が会社の仕事を持ち帰って自宅のPCで作業する場合なども含む)。前出のライセンス条項をよく読むと「非商業的な使用。Microsoftサービス規約における非商業的使用の制限は、Microsoft 365 Personal サブスクリプションとMicrosoft 365 Familyサブスクリプションには適用されません」と書かれているからだ。
それだけを読むと法律的な言い回しでよく分からないが、要するにMicrosoftが個人向けに提供しているサービス(例えばXbox LiveとはBingなど)は商業的な利用が許可されていないのだが、Microsoft 365 Family/Personalはその例外でどちらも商用利用していいですよ、ということになる。
以前は日本以外のリージョンでの個人向けMicrosoft 365 HomeやMicrosoft 365 Personalなどに関しては商用利用ができないライセンスになっており、日本リージョン向けのMicrosoft 365 Solo、そしてその名前が変更されたMicrosoft 365 Personalだけが、世界唯一商用利用が可能になっていた。
しかし、そのルールは見直され、現在では日本以外のリージョン(例えば米国など)でもMicrosoft 365 Family/Personalのどちらでも商用利用できるようにルールが変更されているのだ(前出のライセンス条項にも日本での利用に限るなどの表記が入っていないのはそのため)。このため、今では日米どちらでMicrosoft 365/Familyを契約しようが商用利用できるようになっている(ただし、米国のMicrosoft 365のプランは米国で作成したMicrosoftアカウントにしか紐付けられないので、日本のユーザーが日本でそれを契約して日本のMicrosoftアカウントにひも付けることはできない。物理的に米国に渡航して、米国でアカウントを作り、米国でPOSAカードを買えば話は別だが)。
例えば、会社員のお父さん、お母さんが会社から持ち帰った仕事やテレワークなどをMicrosoft 365 FamilyでOfficeアプリをインストールしたPCで仕事をし、学生の子ども3人それぞれがTeamsで自宅のPCで学校のリモート授業を受ける場合などでも、合計5ユーザーになるがMicrosoft 365 Familyがカバーしてライセンス要項の範囲内ということになる。
問題は社員6名以下の中小企業がこのMicrosoft 365 Familyを買い、社員6人に割り当てるのはありかということだろう。ライセンス条項を読む限りはそういう使い方をしていいとも書いてないが、ダメとも書かれていないし、Microsoftアカウント自体をそのように使っていること自体をMicrosoftが関知することは難しいというのが現状だ。
そう考えればライセンス条項的には不可能ではないし、そういう運用も可能ではあると考えられるが、グレーゾーンとしか言いようがないだろう(そうしたものは最終的に裁判なり判例なりで決着するものであって、法律家の領域になるのでその専門家ではない筆者としてはダメとも良いとも言わないこととする)。
ただ、どちらにせよ個人向けのMicrosoft 365には、企業が必要とするようなセキュリティの機能も用意されていないし、さらにサポートもあくまで個人がPCを使う時レベルのサポートしか受けられない。さらに社員が6人以上になった場合にそれ以上ユーザー数を増やすことができないし、逆に社員が辞めた時にOneDriveに置かれているデータをどうするのかなどを考えると、やはり管理性も使い勝手が悪いと考えるのが妥当ではないだろうか。
その意味では企業であれば、セキュリティのことやそうした伸縮性のことも考慮に入れて一般法人向けプランとなるMicrosoft 365 Business(中小企業向け)やMicrosoft 365 Enterprise(大企業向け)などを検討することを強くおすすめしたい。
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